友人たちとの集まりで子どもの頃の家庭教育について話していたとき、
元・新聞記者の広報さんと、「本のように辞書を”読んで”いた」ということで話が合いました。
実家が学習塾だったこともあり、辞書や百科事典の類が豊富な環境にあり、母親に「あれは何?」「これは何で?」と聞いても、「まず、自分に調べてから聞きなさい」とたしなめられるのが常でした。

そんなもの読んでも面白くないでしょ? と言われるでしょうが、実際はそうでもなく。
私だけじゃなく、その広報さんも同じ感覚だったようで、深夜番組の「たほいや」の思い出を語りつつ、広辞苑の奥深さについて共感トークを展開したのでした。

というわけで、前置きが長くなりましたが
日々の出来事を書くブログとは別に、
ちょっと気になった単語を掘り下げて、言葉の引き出しを増やしていくコラムを書いていこうと思います。

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今日のテーマは「老」と「若」
たまたまスタバで隣に座っていた男性グループ(たぶん60代)が、電車で年寄り扱いされてショックを受けた話やら、近所の集まりにやってくる某氏が若作りだという噂やら、1時間近い時間を費やして「老い」を(後ろ向き気味に)語っていたので、この単語と対となる「若(い・さ)」についていろいろ考えてみたいな、と。

老を漢和辞典でひきますと、
年をとる。おいる。ふける。また、年寄り。
といった意味がある一方で、
経験をつむ。ものなれる。経験豊かな人。
という、熟練した様子をイメージさせる言葉でもあることがわかります。

老いるの類語をみても、
わりとフラットに年齢が増えることを言うときは
年齢が上がる、加齢する などの表現になるでしょうが、
これが
年を食う、老け込む となると、ちょっとネガティブな色が出てきますし
老いぼれる、 もうろくする にいたっては、心身ともに衰えた雰囲気が漂います。

さきほどの男性たちも、自分で「俺も老けたもんだ」と言っているうちは、そうはいっても余裕が残っていますが、他人から「あなた老けたわね」と指摘された日にゃ、本当に凹むでしょう。

だからこそ、人生のベテランに対して、他人が「老い」を表現するときは
年を重ねる、 齢を重ねる、年輪を刻む
などを選んだほうがいいのではないかと思います。

また、お仕事や打ち込んでいる趣味などをお持ちの方ならば
達者(お達者ですね!)とか、 老巧 、 老成 、熟練した といった言い回しもあります。

対する「若い」というのは、日本では常に褒め言葉のように解釈されますが
国によっては、若い=未熟 という価値観のほうが強いところもあるでしょうし、日本でもビジネスシーンにおいては、「まだ青い」とか「あの若造めが!」など、経験や力量が足りない人、生意気な人を指す言葉もあります。「青二才」の二才は、ボラなどの稚魚の呼称から来ているようです(諸説あり)。

ちなみに、「若造」は、上の人が下の人を卑しめて使う言葉のようですので、あまり上品な表現とはいえません。似た単語で「新造(しんぞ)」というのがありますが、これは若き人妻や新米の遊女を指すようです。ちなみに、若くなくなると・・・「年増」「大年増」となります。ゆえ、このへんの単語もおいそれとは使えない ですよね。

ですから、自分が若いから謙遜しておこうと思って
「私は若造ですから」と言うと、相手によってはゲスな言葉を使うなと思われてしまうかも。
もし、若いことを謙遜して言うのなら「若輩」を選んだほうが良さそうです。

あぁ、言葉を追いかけていくとキリがない! 今日はこのへんで。