ダイバーシティの概念が広がってくるにつれて
「実は私・・・」と公表する人も増えてきた気がします。また、有名人がSNSから発信することもしばしばです。

ロバート・キャンベルさんがLGBTについてテレビで話された後、見知らぬ男性から「よく告白しましたね」と声をかけられたそうです。そして、「告白」したのではなく、「公表」しただけである旨を伝えたのだと。

「告白」という言葉は、公に明らかにすること(=公表)の内容が、
心の中に秘めていたことや隠していたことである という前提があります。隠していたのですから、多くの場合は悪いことです。「罪を告白する」などが典型例で、キリスト教で己の罪や咎を神様の前で打ち明けるときにも用います。警察の取り調べなどで、自分から言い出す場合は「自白」ですよね。
なんとなく、白になる前の黒いニュアンスが込められた単語だなと思います。

似た言葉に「白状」がありますが、状という漢字を漢和辞典で調べてみると、「かたち」や「姿」といった語義があるようです。
だから、形状や状態といった物のありさまを指す熟語に使われます。
また、書状や表彰状などをイメージすればわかるように、(姿かたちのない)記録や記憶を、(見える形にするために)紙などに書き記したものを指す語なのです。

辞書には、 「くちがき」とも載っていましたが、これは 江戸時代の裁判で、本人からの申し立てを記録したものや、罪人が白状したことを書いた書面に爪印を押させたものを指す呼び方のようです。
となると、「告白」や「自白」が口頭で述べるイメージなのに比べて、「白状」のほうが、謎が解けて真実が形づくられるニュアンスや、何かしらの記録に残されそうな印象が加わってくるあたり、なかなか興味深いと思いませんか?

せっかくなので、現代用語として使われそうな(灘中の入試問題にも頻出する)カタカナ表現(英語)についても触れておきますと(10年ほど前に英語を習っていたときに教わったことですが)、企業が決算内容を発表することを「ディスクローズ」といいますが、これが暴露のニュアンスが強くなると「エクスポーズ」になります。
記者向けの発表文や新商品の発表時などに用いる「リリース」という単語は、釣りで「キャッチ&リリース」と言うことからも想像できるように、解放する、投下するという感じのときに使います。社内だけの秘密だったけど、広くお披露目しても大丈夫だよ! ってなところでしょうか。オープンにするという意味なのだから、「ディス+クローズ」に近い意味なのも納得。英単語も、こうやって連想して覚えましょう(と、私の先生が言ってましたっけ:笑)